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誤嚥と誤飲 [医学・医療・雑感小文]

 幼児が、硬貨やたばこなど食べてはいけない物を口に入れて、飲み込んでしまう「誤飲」に対して、食べ物や飲み物が気道のほうへ入ってしまうことを「誤嚥」(ごえん)という。

 つまり危険な物が消化器に入るのが誤飲で、食べた物が呼吸器に入るのが誤嚥だ。

 新聞用語では「嚥下(えんか、えんげ)」を「のみ込む、のみ下ろす」と書き換えるのが普通なので、誤飲と誤嚥が混同されることがある。

 お年寄りや脳卒中の後遺症のある人などは、誤嚥しやすい。

 それがもとで肺炎を起こすことが多い。「誤嚥性肺炎」だ。

 誤嚥の起こり方は、三つに分類される。

 1 食事のさいにむせて、飲食物が気管のほうへ入ってしまう。

 このとき、口の中に病原菌があると。それも一緒に入っていき、そのために肺炎が起こる。

 2 胃液が逆流し、気管から肺に入る。胃酸は強い塩酸だから肺に炎症をつくる。

 3 眠っている間など無意識のうちに、口の中やのどの辺りの病原菌を肺に吸引してしまう。

 サイレント・アスピレーション(吸引)と呼ばれ、お年寄りの誤嚥性肺炎では最も重要視されている。

 誤嚥を防ぐには、食物は少しずつゆっくり食べる。

 病気の人も上体を起こして食べ、食後は歯を磨き、うがいをし、できれば2時間ほどは座っている。
 
 寝たきりのお年寄りにそのような介助をしたところ、肺炎の発症率がぐんと減ったという報告がある。

 誤嚥性肺炎は、元気な人もかかる肺炎だから、毎食後、就寝前の歯磨きで口の中をきれいにし、胃からの逆流を防ぐにはやや高めの枕がよいようだ。

 幼児の誤飲

 カメラやゲーム機などのボタン型電池を幼児が誤って飲み込む事故は、とても多い。

「赤ちゃんは、ピカピカして丸いものが大好き。赤ちゃんの手の届くところにそうした電池を置かない。誤って飲んでしまったら、すぐ水を飲ませ、病院へ」と、救急の専門医。

 小さな子どもは、大人が思いもよらない物を口に入れる。

 硬貨、部品類、たばこなど家のなかには危険物がいっぱい!

 もしものときの対応は?

 ●硬貨や小さな部品類=たいてい便と一緒に出てくる。

 ●たばこ=舌の付け根を押して吐かせる。

 ニコチンの吸収を早めるので、水や牛乳を飲ませてはいけない。

 ニコチンは24時間で体の外へ出る。

 1日たっても異常がなければ心配ない。

 ●大部分の薬=水や牛乳を飲ませて吐かせる。(のどの奥の舌の部分を押して刺激する)

 ●トイレ用洗剤、漂白剤など=牛乳か卵白を飲ませ、吐かせない。(吐くと食道の粘膜を再び傷つける)

 ●ガソリン、灯油、ベンジン、マニキュア除光液などの揮発性物質=何も飲ませず、吐かせない。(吐いたものが気管に入り肺炎になる)

 ●ナフタリン、防虫剤=牛乳は飲ませない。吐かせる。

 このほか、意識障害がある。けいれんしている。唾液や吐いた物に血がまじる。とがった物を飲んだときも、吐かせない。

 病院に行くときは、飲んだ物の容器や説明書などを忘れずに持参する。

 急な相談は、日本中毒情報センターの「中毒110番」へ。

 ■大阪中毒110番(365日 24時間対応) 072-727-2499

 ■つくば中毒110番(365日 9時~21時対応) 029-852-9999

 ■タバコ専用電話(テープによる一般市民向け情報提供。365日・24時間対応) 072-726-9922
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何を、どう、いつ食べる?  [医学・医療・雑感小文]

マインドフル・イーティング

ゆっくり、食事に意識を集中して食べることで、より健康になるという「マインドフル・イーティング」が話題になっている。

医療系メディアBMJ Openの新しい研究によると、ゆっくり食べる人は、食べるのが速い人に比べて太りにくいことがわかった。

また食べるのを遅くすることで、体重が減りやすくなるという。

研究者たちは、糖尿病患者6万人のデータを6年間にわたって調べた。

どれくらい速く食べるか、アルコール消費の有無、睡眠パターン、睡眠の2時間前までに夕食を食べるかどうか、夕食のあとに軽食をとるかどうか、朝食をとるかどうかといった生活習慣について、被験者たちに尋ねた。

肥満になりやすいかどうかは、あらゆる食習慣とかかわっている。

そのなかでも、食べるスピードは大きな影響をもつ。

たとえば普通のスピードで食べる人は、食べるのが速い人に比べて29%肥満になりにくく、ゆっくり食べる人は42%肥満になりにくい。

食べるのを遅くした人は、体重が減りやすくなることがわかった。

研究は、自然の食習慣と時間経過による変化をとらえた「観察研究」だ。

「速く食べる人は体重が増えやすい」というほかの研究結果とマッチするという。

これは単に食べる総量の話ではなく、満腹ホルモンの反応に関係するものだ。

ある研究によれば、アイスクリームをゆっくり食べるように言われた人は、速く食べるように言われた人に比べて消化管ホルモンがより多く分泌し、満腹を感じやすかったという。

「いつ食べるか」は「何を食べるか」と同じくらい重要であると繰り返し示されている。

深夜にものを食べる人は、眠る前の数時間に食べない人に比べて、メタボリックシンドロームや体重増加のリスクが大きいことが知られている。

朝食を食べるのが健康にいいかどうかは常に議論されてきた問題だが、今回の研究では朝食を食べたほうがいいとされている。

「朝食を抜くことで、体重が増えたり肥満になりやすくなったりするほか、それはメタボリックシンドロームのリスク要因にもなります」と論文の著者は書いている。

「私たちの研究結果によれば、朝食を欠かさずにとることで肥満になりにくくなります。これは過去の研究結果を支持するものです」

今回の研究が示すこととは、私たちがすでに知っていることが間違っていなかったということである。

ゆっくり、マインドフルに食べること、しかるべき(できれば早めの)時間に食べること、そして朝食をとることは、長期的に見れば健康になることを助ける習慣なのだ。

何を食べるかは、もちろん重要だ。

しかし、どう食べるか──食べ物に対する姿勢と行動──も同じくらい重要なのだ。
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1日3食は必要ナシ? [医学・医療・雑感小文]

老けない身体を作る「食べ方」

人間(のみならず、生きものすべて)、食わなきゃ生きていられない。

だが、1日3度も食べることはない。

食べ方を見直そうと、「週刊女性PRIME / 2018年3月17日」が、提唱している。

以下、その全文。

和食離れが進む日本、老けない身体は食生活の見直しから!

「間違った情報に洗脳されている人が実に多い。

正しい食事の法則を知ることこそ若さと健康を維持する秘訣」と語るのは、細胞から元気になるための「細胞環境デザイン学」を独自に提唱する杏林予防医学研究所所長・山田豊文先生。

「肉や卵、乳製品などの高脂肪高タンパク食が推奨され、主食は白米や小麦粉など精製されたものばかり。

日常的に添加物たっぷりの加工品を食べる。

そんな食習慣が肥満や生活習慣病の増加に直結しているんです。

老けない身体作りを目指すなら、まず今の食生活の間違いに気づくことが重要です」

まずは今の自分の身体の状態を知ることから。思い当たる生活習慣にチェックを。

【体内年齢がわかるチェックリスト】

□1日3食以上、食べる
□おやつは欠かせない
□牛乳をよく飲む
□ファストフードをよく食べる
□外食が多い
□揚げ物など油っこい食べ物が好き
□朝食はパンとマーガリンが定番メニュー
□早食いであまりかまない
□パスタやラーメンなど麺類が好き
□甘いお菓子に目がない
□満腹になるまで食べてしまう
□毎日お肉を食べる
□清涼飲料水をよく飲む
□白いご飯やパンをたくさん食べる
□オリーブオイルはどれだけとっても太らないと思う
□生野菜をあまり食べない
□体調が悪いときは食欲がなくても食べるようにしている
□糖質制限をしている、またはしたことがある
□コレステロールは身体に悪いと思う
□健康のために塩分を控えている
□夜更かしして朝遅く起きるサイクルになりがち
□食べ物の好き嫌いが多く偏食
□体調を崩したらすぐに薬を飲む
□週3日以上お酒を飲む
□タバコを吸う
【診断】
0~5個:体内年齢30歳。身体を老けさせない、質のいい食生活を送れています。細胞に働く食べ方を続けて、若々しい身体をキープしていきましょう。

6~10個:体内年齢40歳。おおむね良好な食生活です。ときどき身体に悪いものを口にしているものの、それをカバーできる生活が身についているといえます。

11~15個:体内年齢50歳。よい習慣と悪い習慣が半々の状態。暴飲暴食を続けると、年齢とともに体内老化が進行します。意識して食生活を切り替えましょう。
16~20個:体内年齢60歳。ついつい甘いものや手軽な加工食品に手がのびがち。このままでは体内老化は加速するばかり。注意報発令中と肝に銘じましょう。

21~25個:体内年齢70歳。すでに身体が悲鳴をあげています。今の食生活では寿命を縮める危険度大。一刻も早く食生活を改め身体をレスキューすることが必要。

これが穀菜食の基本ルール

病気や不調を遠ざける食べ方の基本は、玄米を中心とした穀物+たっぷりの野菜からなる「穀菜食」。

これを実践するだけで、老化スピードは遅くなり若々しい心と身体を保てます。

■玄米ご飯+具だくさんのみそ汁が基本
●玄米ご飯
ミネラルや食物繊維など身体に必要な栄養が凝縮。毎日の主食を玄米に替えるだけで食事の質を上げられる。

●みそ汁
発酵食品のみそと旬の野菜で栄養の濃い一品に。また、大豆が原料のみそは大事なタンパク源であり、ミネラルも豊富。

●野菜&いも類
緑黄色・淡色・いも類多種類を食べよう。野菜は植物性の健康成分ファイトケミカルの宝庫。旬の新鮮な野菜を選んでとりたい。里いもやさつまいもなどのいも類には食物繊維が豊富で腸だけでなく全身の健康に役立つ。

●きのこ類
食物繊維やビタミンを多く含み、免疫力アップにも貢献してくれる。ほどよい食感があるため、よくかんで食べるにもつながる。

●果実類
ビタミンをはじめとする豊富な栄養を含む旬の果物。なるべく皮ごと食べるようにすると、よりたくさんの栄養を補給できる。

●海藻類
海藻類は、現代人が不足しがちなミネラルの宝庫。わかめや昆布、のりなど日本の食卓では欠かせない食材といえる。

●種実類
クルミなどの種実類には、ビタミン、ミネラルのほかオメガ3脂肪酸や食物繊維も豊富。料理やおやつに活用して。

●良質な油
体内で作ることができないオメガ3脂肪酸は意識して摂取を。その代表的な摂取源が、亜麻仁油や天然の小型の青魚。

●豆類
重要なタンパク源であり、マグネシウムや鉄、亜鉛などミネラルも豊富。納豆などの大豆発酵食品も積極的にとりたい。

食べ方のポイントは「小食」と「よくかむ」

何を食べるかと同時に大切なのが、どう食べるか。余分なものをため込まないために、二つのルールを心得て。

 一つめは、小食を習慣づけること。

現代人は高タンパク高脂肪食を好む傾向があるほか、常に過食の状態。食事量や回数を減らし、空腹の時間を増やすだけで消化への負担が減り、細胞が元気に働き始めます。まずは間食をやめるなど、できることから始め、最終的には1日2食が理想です。

《空腹でアップする五つの力》
(1)体内の有害物質を排出する力がアップ
(2)酵素の節約により体内の治癒力がアップ
(3)内臓を休ませることで機能がアップ
(4)睡眠の質や集中力がアップ
(5)血液サラサラ効果がアップ

 二つめは、よくかんで食べること。

咀嚼によって分泌される唾液は、食物の消化や栄養の吸収をスムーズにするほか、よくかむことで満腹中枢が刺激されるなど、さまざまなメリットがあります。

《唾液の五つの働き》
(1)消化酵素が含まれており消化を助ける
(2)口内の滑りをよくして飲み込みやすくする
(3)食べ物の栄養の吸収をスムーズにする
(4)口の中を殺菌し、免疫が高まる
(5)粘膜を保護して口腔内を保湿する

身体をレスキューする食べ方&食材

ふだん食事に気を配っていても、つい誘惑に負けてしまうことも。
暴飲暴食は老化の元凶です。

ここからは、食べすぎ飲みすぎたときに実践したい、レスキュー法をご紹介します。

■「小食・断食」で暴飲暴食をリセット

身体の老けに直結する生活習慣病のほとんどは、乱れた食習慣、特に過食が原因。

身体をリセットして若返りを目指すなら、食事の質だけでなく、量や回数も意識することが必要です。

とはいえ、これまで1日3食だった人が、いきなり1食抜くのは大変。

そこで、まずは間食をやめる、夕食を軽めにすることから少しずつ食事量を減らしてみましょう。

1食減らす場合も、夜は仕事の付き合いや家族との団らんで難しい場合は、朝と昼のどちらかをカットしてもOK。

自分の生活ペースやできる範囲を調整しつつも、食事を減らすというレスキュー法は、意識して日常生活に取り入れていきましょう。

手軽な方法として編集部が提案するのは「半日プチリセットプログラム」。

2日間の食事のうち、1日目の夜と2日目の朝を手作りジュースに置き換えます。

手作りジュースの例:いちご100gとレモン1/2個をジューサーにかけて、無調整豆乳80mlを混ぜ合わせる。

■お酒・ジャンクフード好きな人はこの食材で「肝臓の解毒力」をアップ

アルコール、添加物、有害金属といった体内に取り込まれる毒素を処理するのが肝臓。

この処理をサポートするのが、亜鉛、マグネシウム、ナイアシン(ビタミンB3)です。

さらに、にんにくやニラなどの香りの強い野菜に含まれている硫化アリルや、玉ねぎのケルセチン、ホタテに含まれるセレン、イワシやサンマなどの青魚に含まれる含硫アミノ酸には、「キレート作用」という働きがあり、血液中の有害ミネラルを無毒化してくれます。

お酒・ジャンクフードが好きな人は特に、これらの野菜を積極的に取り入れて、体内に毒素をためないきれいな状態を保ちましょう。

■食中毒やストレスから身体を守る「体内殺菌」

キレート作用のある食材で肝機能アップを心がけることに加えて、体内の殺菌に役立つ食材をとることも、解毒力を高めるのに欠かせません。

そこで役立つのが、イソチオシアネート類と呼ばれるファイトケミカル。

ファイトケミカル=野菜、果物、豆類、芋類、海藻、お茶やハーブなど、植物性食品の色素や香り、アクなどの成分から発見された化学物質。 抗酸化力、免疫力のアップなど、健康維持・改善に役立つ。

野菜に含まれるファイトケミカルは、野菜自身が太陽の紫外線から身を守ったり、害虫に食べられるのを防いだりと、自分の身を守るために作り出されていると考えられています。

特にアブラナ科の植物に多く含まれており、高い殺菌力を持つことで知られるわさびもその一種。そのほか、キャベツやクレソン、ルッコラ、からし、芽キャベツ、大根などに含まれています。

サラダや付け合わせ、薬味として食卓に取り入れることで、毒素やストレス、がんなどから身体を守ってくれます。

老化を加速させる食べ物・食べ方はやめよう!

牛乳や乳製品、肉や卵などの動物性食品、細胞を壊す油「トランス脂肪酸」を含むマーガリンやショートニング、それを使ったスナック菓子やパン、食品添加物まみれの加工食品などを、食卓から遠ざけること。

「どう食べるか」も重要。

(NG)食事をしながら飲み物をとる
よくかまずに飲み物で流し込んでしまうと、消化吸収に支障をきたし、全身の老化を加速する羽目に。

(NG)体調が悪いときに無理に食べる
「食欲がなくても食べたほうがいい」というのは間違い。
野生動物は、体調が悪いときはエサをとらないもの。それは回復を早めるための本能的な行動なのです。

(NG)1日3食お腹いっぱい食べる
1日3食満腹になるまで食べると、内臓は本来、空腹時に行う全身の細胞のメンテナンスが適切に行えなくなります。

(NG)時間がないときに早食いする
早食い=かむ回数が少ないということ。その結果、当然、消化吸収に支障が。
過度に精製・加工されたものや、やわらかい食べ物は避け、かみごたえのある穀菜食を。

(NG)白米や白いパン、白い麺類を食べる
精製された穀物は、ミネラルやビタミン、食物繊維などの栄養が取り除かれた「裸の炭水化物食品」。玄米などの「服を着た炭水化物食品」に替えて!

究極の老化防止は「がんに効く野菜を毎日食べる」
健康な人でも、1日数百というがん細胞が発生しているといわれ、それらを退治するのが、身体の免疫力や抗酸化力。

発生したがん細胞を増殖させないために、食事では免疫力を高める栄養や、抗酸化成分を含む食材を積極的にとることが大切。

なかでもがん予防には植物の色素や香りを構成している成分・ファイトケミカルが有効です。

抗酸化成分として知られるポリフェノールもファイトケミカルのひとつ。
ほかにもさまざまな種類があります。

〈教えてくれたひと〉
山田豊文先生◎杏林予防医学研究所所長。細胞の環境を整えれば健康に生きていけるという「細胞環境デザイン学」を提唱。監修ムック『老けない体をつくる新習慣』(宝島社)が発売中
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「食べること」は「生きること」 [医学・医療・雑感小文]

口で食べよう

30年も前、肝臓を3分の1チョン切る手術を受けた。

術後数日はメシが食えず(「経管栄養法」というのか)点滴で栄養を補給していた。

口から食べる「経口摂取」になったとき、担当チームの研修医から言われた。

「どんどん食べてください。口から食べると体に力がつきますから」

へぇ、そんなものかと思った。

先日、ネットでこんな記事を読んだ。要約してみる。

私たちは生きていくための栄養を食事から摂っていますが、「食べること」は単に栄養摂取の一手段ではなく、健康を維持したり、生きる楽しみを味わう機会でもあります。

ところが、食べる機能の低下や病気によって、食べることができなくなってしまうことがあります。

食事を口から食べることの大切さ

口から食べることは、単に栄養を摂取するだけではない、次のようなメリットがあります。

 神経系を活性化する

食べものを認識し、手を使って口まで運び、歯で噛み、味わって飲み込む一連の動作。

何となく行動しているようでも、実際には脳の指令によって、さまざまな情報伝達、指令系統を働かしています。

これら一連の動作は神経系の活性化につながっています。

脳が活性化する

食事は見た目や匂い、食感や味覚などの五感を刺激します。

「おいしい」「嬉しい」といった感覚・感情も、脳を刺激し活性化させます。

また、噛むことで、脳の機能を向上させる効果もあります。

口腔内を清潔に保つ

食べものを口から摂り、噛むことで唾液が多く分泌されます。

唾液には口腔内を清潔に保つための自浄機能があり、口の雑菌繁殖を抑え、口腔内のトラブルや、肺炎などの病気の予防になります。

生活の質(QOL)を向上させる

家族や友人、周囲の人びととの会話も楽しめる食事や、季節感を感じることのできる食事は、 満足感や充実感を得ることができQOL(生活の質)も向上します。

口から食べることの楽しみは何よりも生きる楽しみ、元気の源となるのです。

口から食べることが難しくなる原因

脳からの指令で「摂食・嚥下(えんげ=飲みこむ)」動作が行われ、「食べること」ができます。

ところが、食べる機能に支障をきたすと、飲み込もうとして気管へ入ってしまったり、むせてしまったり、食道へ入っていかず喉に残ってしまうといった「誤嚥(ごえん)」と呼ばれるトラブルがみられます。

また、口から食べることが難しくなる主な原因には次のものがあげられます。

・脳血管障害(脳梗塞・脳出血など)による麻痺・加齢による摂食・嚥下機能の低下

・舌、咽頭、喉頭癌など口腔の形態的な問題

・パーキンソン病などの神経や筋肉の病気

食べる機能が低下するとどうなる?

食べる機能が低下すると、栄養が十分に摂れなかったり、「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」を引き起こすリスクが高まります。

肺炎は日本人の死亡原因第3位で、多くは高齢者が「誤嚥」することで発症しています。

さらに、誤嚥性肺炎の入院治療中、食べない時間が長くなり飲みこむ機能がさらに低下することで、寝たきりとなってしまうケースもあります。

食べる機能を保つために

では、いつまでも口から食べ続けられるようにするにはどうしたらいいのでしょうか?

生活習慣を改善する

摂食・嚥下障害の主な原因となる脳血管障害は、動脈硬化、高血圧、糖尿病などの病気によって発症のリスクが高まります。

これらの病気は生活習慣病ともいわれ、喫煙などを含む生活習慣の改善が必要です。

嚥下にまだ問題がない頃から、栄養バランスのとれた3食の食事、適度な運動やしっかりとした睡眠、禁煙などの生活習慣を心がけましょう。

口腔内のトラブルを防ぐ

口から食べるためには噛む力を維持すること、口腔内のトラブルをなくすことも大切です。

歯を失ってしまう原因となる虫歯や歯周病の予防、定期的なメンテナンスは欠かせません。

かかりつけの歯科医をもち、定期的に診てもらうようにしましょう。

摂食・嚥下のトレーニング

加齢とともに噛む力や飲みこむ機能は低下します。

また、口、舌、顎などを動かさないことでも筋肉や関節の機能は低下し、飲み込む力は失われてしまいます。

食べる機能に関連した筋肉を鍛えるトレーニングは、誤嚥を防ぎ、食べる力を維持することに有効です。

医療の現場でも口から食べることは重要視され、嚥下機能障害がある場合、理学療法士が状況に適した運動療法などの理学療法技術を行い、食べる機能を高める役割を担ってくれています。

早めの相談を

飲み込む時にむせたり咳込んだりする、食事中に声がかれる(声が変わる、ガラガラ声になる)、食べるのに時間がかかる、しゃべりにくいなどの症状がみられる場合は、誤嚥のリスクがあり注意が必要です。

誤嚥性肺炎を予防するためにも、このような症状がみられる場合、早めに医師に相談することをおすすめします。

食べる力を損なうことなく、いつまでも「口から食べること」ができるようにしたいものですね。

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
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片頭痛のふしぎな合併症 [医学・医療・雑感小文]

 片頭痛は摩訶不思議な全身の疾患。脳梗塞、心筋梗塞、増加

 片頭痛は頭痛だけでなく、神経学的症状(閃輝暗点、半盲、失語、麻痺など)を繰り返したり、消化器症状などを来す疾患であるが、脳梗塞や虚血性心疾患をきたすことも知られている。

 今回、デンマークの全ての病院と病院外来クリニックで行われているデンマーク全国患者登録に1995〜2013年に登録された片頭痛患者5万1,032例と年齢、性、暦年をマッチさせた一般集団51万320例を解析対象とした一般集団ベースのコホート研究で、心筋梗塞、脳卒中、末梢動脈疾患、静脈血栓塞栓症、心房細動、心不全のリスクが検討された。

 19年間のフォローアップ期間における1,000例当たりの累積発生件数(片頭痛群 vs. 一般集団群)は、心筋梗塞(25件 vs. 17件)、脳梗塞(45件 vs. 25件)、脳出血(11件 vs. 6件)、末梢動脈疾患(13件 vs. 11件)、静脈血栓塞栓症(27件 vs. 18件)、心房細動/心房粗動(47件 vs. 34件)、心不全(19件 vs. 18件)であった。

 片頭痛患者は一般集団に比べて、心筋梗塞、脳梗塞、脳出血、静脈血栓塞栓症(足の静脈でできた血栓が、血流にのって肺の動脈に詰まる)、心房細動で有意なリスクの増加を示した。

 脳梗塞が片頭痛で増加することは以前から報告され、さらに心筋梗塞、脳出血が増加することも報告されてきた。

 本研究は一般集団ベースのコホート研究で、長期の完璧なフォローアップ研究である。

 頭痛は短期間でも複数の心血管疾患の発症リスクが増加し、長期にわたって継続することが明らかとなった。

 脳卒中診療の現場では通常、片頭痛の既往を聴取することはない。
 
 ただ、特に高齢になると片頭痛発作を来すことは少なくなってくるため、現病歴や既往歴で片頭痛が抜け落ちることが多い。

 一方、片頭痛では喫煙や経口避妊薬(ピル)使用で脳梗塞発症が10倍程度に増加すると報告されていたが、今回の報告ではBMIと喫煙が脳梗塞発症リスクになると報告された。

 片頭痛患者が脳梗塞を発症した場合、原因は多岐にわたる。

 そのため、原因検索を詳細に行い、抗血小板薬と抗凝固薬のいずれが適しているか検討し、喫煙、ピル、高血圧、耐糖能異常などのリスクを管理する必要がある。

 片頭痛があると心房細動発症リスクが増加するという報告は今回が初めてであろう。

 心房細動に対してカテーテル・アブレーションを行ったら片頭痛が改善するという報告もある。

 片頭痛発作の回数が多い患者では脳梗塞を発症するケースが多いとの報告が散見される。

 片頭痛患者は、禁煙、ピルを使用しない、高血圧などのリスク管理、片頭痛の適切な治療を行うことで、脳梗塞発症を予防できる可能性が高いと考えられる。 

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二大不整脈「心室細動」と「心室静止」 [医学・医療・雑感小文]

心臓の拍動が乱れる不整脈は、大きく三つに分けられる。

脈が速く打つ「頻脈」、遅く打つ「徐脈」、心臓が突然収縮し脈が飛ぶ「期外収縮」だ。

不整脈イコール病気ではないので、ほとんどのものは放置してよいのだが、ときに治療の必要な不整脈があり、そのなかに非常に怖い不整脈が含まれている。

いちばん怖いのは「心室細動」と「心室静止」で、「致死的不整脈」と呼ばれる。

前者は心室(心臓の下半分。血液を動脈に送り出す部分)がケイレンし、後者は心室が動かなくなる。

どちらも心臓から動脈へ全く血液が送り出されなくなる。

心臓突然死の80~90%は心室細動による。

スカッシュの練習中に倒れて亡くなった高円宮憲仁親王も心室細動だった。

親王の急逝後、心室細動に対する対応が問題視され、一般人によるAED(自動体外式除細動器)の使用が認められ、広く普及した。

次に怖いのは「重症不整脈」で、いくつかの種類があるが、最もよく知られているのは「心房細動=絶対性不整脈」だ。

長嶋茂雄さんやサッカーのイビチャ・オシム監督の脳梗塞(心原性脳塞栓症)の原因が、心房細動だった。

心房(心臓の上半分。静脈から血液を受け入れる部分)がケイレンし、ぶるぶるふるえる。

だが心房と心室をつなぐ房室結節のはたらきで心室は動いて、血液を送り出すので致死的不整脈にはならない。

心拍数が1分間50~100回のときは自覚症状がないことが多いが、1分間140回以上になると、動悸や胸苦しさが起こる。

発作がいつ起こるかわからないという不安感がつのり、一人では外出できないなど、QOL(生活の質)が低下する。

なによりも重大なのは、心房がケイレンして心房内に血液が停滞すると、血栓ができやすくなること。

これが脳へ飛び、脳の血管が詰まるのが、長嶋さんのような心原性脳塞栓症だ。

致死的な症例もあるし、後遺症の問題も生じる。

心房細動には「発作性」と「慢性」がある。

発作性は数秒間で止まるもの、数時間から1日中続くもの、数日以上つづくものとさまざま。慢性は症状が固定して一生続く。

発作性の場合、発作を止める(または予防する)抗不整脈薬などが用いられる。

薬で止まらないときは電気ショックをかけることもある。

慢性の場合は心拍数をコントロールする薬が使われる。

近年、根治療法が進歩し、心臓にカテーテルを入れて高周波を流し、不整脈の発生源を焼き切るカテーテルアブレーション(心筋焼灼術)が広がっている。

心房細動は、精神的・肉体的ストレス、寝不足、酒、たばこ、カフェインの影響を受けやすい。

だから予防・治療の基本は、なんといっても生活習慣の改善だ。
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心筋梗塞と過労の関係 [医学・医療・雑感小文]

心筋梗塞による突然死 過労が招く
 
 昨日、古い友人の元大学教師(85歳女性)から届いた「件名:質問」のメール。

 無沙汰、時候の挨拶、ご本人の近況につづいて、

「私の教え子で、北海道で高校教師をしていた男性がまだ48歳なのに、妻子を遺して、朝、死んでいたというのです。

妻なる人から手紙で知らせてきましたが、知らないうちに死んでいたので、事件性が疑われて、警察がきて大変だったとのこと。

死因は心筋梗塞だったことが判明したとのことですが、心筋梗塞って、予兆もなく突然死するものなのでしょうか。

高校教師は悪政治によって、雑用に追い回され、肝心の教育に集中できないと、嘆いていましたが、過労なども原因になるのでしょうか。

予兆、防止について教えてください。

高校教師は教え子に大勢居ますから注意して上げたいですので。」

 当方の拙速的返信。

はい。心筋梗塞による突然死はよく知られています。

心臓の筋肉(心筋)に血液を供給する冠動脈は3本ありますが、血管の幹に当たる部分と、血液を大動脈に送り出す心臓の左側の広い範囲を養っている、左前枝と呼ばれる血管が詰まると、ほとんど突発的に死を招くことになるようです。

同じように冠動脈が狭くなって血液の流れが悪くなる「虚血性心疾患」にも、差し迫った危険性のあるもの(急性冠症候群=ACSといいます)と、そうではないものとがあるわけです。

「予兆」ですが、狭心症の発作(胸しめつけられるような痛み)が生じることがあるようです。

そうした狭心痛がすぐ消失しても安心せず受診すべきです。

「防止」については、虚血性心疾患は心電図や超音波検査でわかるので、健診で異常を指摘されたら、心臓の専門医を受診し、ACSかそうではないか、見分けてもらうことが重要と思います。

一般的な虚血性心疾患とACSとでは治療法が違います。

ACSの危険因子のワーストスリーは高血圧、喫煙、糖尿病なので、それを防ぐ生活習慣(適正な食生活、禁煙、運動、休養)がまず大切だろうと思います。

突然死の原因の大半は心筋梗塞と脳卒中ですが、その背景には多くの場合、過労があるといわれています。

過労死は正式な病名ではありまぜんが、いまでは「KAROSHI」として外国でも通用し、

『広辞苑』にも第四版から収載されていて、

「過度な仕事が原因の労働者の死亡。1880年代後半から一般化した語」とあります。

過労死を防ぐために勤労者本人ができることは、疲れたら休む、特に睡眠を十分とる、この一事につきるのではないか。

過労死すなわち睡眠不足(欠乏)死というのが、小生、多年の素人意見です。

急ぎ、お返事まで。
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握力と寿命 [医学・医療・雑感小文]

 人間は二本足で立って生活するようになってから、手を使い、手を動かすことで脳を刺激し、脳の発達を促してきた。

 350万年前に二足歩行を始めたアフリカ猿人の脳の重さは推定450グラムだが、現代人のそれは1400グラムだ。

 日常、手をよく使うと、脳の働きがよくなるだけではなく、寿命を延ばす効果もあると内外の研究者が報告している。

 70歳以上の高齢者を対象に老化の総合的研究を続けている東京都老人総合研究所によると、男女とも握力の弱い人たちは死亡率が高く、握力の強い人は長生きする傾向が認められるという。

 文部科学省の「年齢別平均握力」表を見ると、20代前半から30代後半までが最も高く、男は48キロ台、女は28キロ台台だ。

 60代になると男40キロ台、女25キロ台、70代前半は男36キロ台台、女23キロ台台、70代後半は男34キロ台、女22キロ台と年とともに下がっていく。

「高齢になってからでも握力を強くすることはできる。

 握力を強くすることによって元気な余命を延ばすことができるのでは──」と専門家は話している。

グーパー運動

 握力は体力の指標だから、握力の強い人が元気なのは当然だが、握力を強くすると、なぜ寿命が延びるのか?

 説明は難しいが、物を強く握ろうとするときの意志の力が脳の働きを活発にするのではないか。

 また、腕に筋力をつけるのは、脳の力を向上させることにもなるのではないか、と専門家は話している。

 握力を強くするには、強く瞬間的に物を握りしめる練習を繰り返すとよい。

 木刀や竹刀の素振り、鉄棒、ダンベル...なんでもけっこうだが、手っ取り早いのは、指の握り開きだ。

 5本の指に力をこめてパッと目いっぱい開き、それから思い切り強くギュッと握りしめる。
 この「グーパー運動」を20回ぐらい毎日思いつくたびにやる。

 テレビを見ながらでもいいし、歩きながらやってもいい。

 小欄がこれを始めたのは8年前(77歳)の入院中で、そのときの握力は右32.0キロ、左31.1キロだった。

 以来、日常習慣的につづけてきた。

 ことし10月の「長寿!」健診の握力測定では35.3キロ、左34.8キロ。

 看護師さんに「ホウ!」と感心してもらった。
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猫とトキソプラズマ [医学・医療・雑感小文]

 尻なめた舌でわが口なめる猫 好意謝するに余りあれども    寒川猫持
 
 寒川氏は「歌人・目医者」で「猫持」はむろん筆名。

 軽妙な筆致のエッセイ集が何冊もある。

「犬と違って、猫が飼い主をなめるのは余程のことである。

 アイ・ラブ・ユーの印である。

 なるべく黙ってなめてもらうことにしているが、尻をなめた舌で口を、となると話は別である。

 猫のウンチにはトキソプラズマという原虫がいる。

 そんなものを口移しされたのではたまらない」と、猫持先生。

 トキソプラズマは、哺乳類や鳥類に寄生する原虫。

 最終的に(「終宿主」という)ネコの体内で生殖し、糞便中にオーシスト<胞嚢体(ほうのうたい)>というタマゴみたいなモノが出てくる。

 また、ブタやヒツジなどの筋肉の中にはオーシストを膜状の袋<包嚢(ほうのう)>でくるんだシスト<嚢子(のうし)>が寄生している。

 人間には多くのばあい猫糞(ねこばば)の中のオーシストや、豚肉などの中のシストから感染する。

 人間にうつったトキソプラズマは、普通は何の症状も現れない(不顕性感染という)が、まれに発病すると発熱、発疹(しん)、リンパ節炎(ぐりぐり)、肺炎、脳炎、脈絡網膜炎(目の病気)などを起こす。

 妊娠中の女性が初めて感染すると、胎児にも感染して、流産や死産をひき起こし、これを免れたばあいでも水頭症、小頭症、脈絡網膜炎などの赤ちゃんが生まれる(先天性トキソプラズマ症)。

 矢野明彦・千葉大学医学部教授(寄生虫学)の調査によると、過去3年間に全国で19人の新生児がトキソプラズマに感染し、9人が水頭症などにかかり、うち2人が死亡、残りの7人も重い障害が残った。

 ほかの10人は妊娠中の検査でトキソプラズマの感染がわかり、治療するなどして新生児の発症はなかった。

 成人のトキソプラズマ症同様、この先天性トキソプラズマ症も、以前はめったにみられない病気だったのだが、近年ややふえているのは、日本人にはびこっている「超清潔症候群」のせいだと、『笑うカイチュウ』などの著者、東京医科歯科大学の藤田紘一郎名誉教授(寄生虫学)は言っている。

「トキソプラズマは、ネコの便から感染するというので、ネコが悪者扱いされているが、感染経路はネコよりもむしろ加熱の不十分な豚肉のほうが多い。

 それにしても感染率は下がっているし、仮に感染してもどうってことはない。

 問題は、妊婦が妊娠中に初めて感染すると、母親は大丈夫だけど胎児に感染して、新生児に重大な影響が出ることです。

 子どものうちにかかっていたら何でもない病気なのに、感染率が下がってくると、妊婦が初めて感染する率はそれだけ上がる。

 感染率が下がったぶん、逆に胎児に行く発症率はふえている、という妙な時代になっている。

 猫の糞(ふん)なんかこわがらないで、妊娠年齢になる前にうつっといたほうがいいんですよ」と、藤田紘一郎教授。

 近年、トキソプラズマ症がややふえている理由は、ペットブームのせいではないか、と矢野教授は指摘している。

「飼い猫のフンなどに含まれたトキソプラズマがソファーなどに付着、空気中に舞い上がったものが口から入ることが考えられる」そうだ。

 なお、猫から人にうつる感染症猫から人にうつる感染症としては、他にパスツレラ症、猫ひっかき病などがある。

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酒と認知症 [医学・医療・雑感小文]

遅咲きの梅と早咲きの桃の共演に間なしに桜の開花が始まる。

そこへもってきて、

ともかくも 卒業したる めでたさよ 富安風生

「コノサカヅキヲ受ケテクレ

ドウゾナミナミツガシテオクレ

ハナニアラシノタトヘモアルゾ

『サヨナラ』ダケガ人生ダ」

(井伏鱒二「厄除け詩集 勧酒」)

というわけで、飲もう、飲もう、飲むべし、

三月や酒進むこと進むこと  稲畑廣太郎

てな、折も折、新聞の「海外短信」でこんな記事を読んだ。

「慢性的な大量飲酒、認知症との関連が明らかに」

慢性的な大量飲酒は、あらゆる種類の認知症、特に早期発症型の認知症の主要な危険因子であることが、公衆衛生に関する専門誌「ランセット・パブリック・ヘルス」に発表された研究論文で明らかになった。

研究者らがフランスの早期発症型認知症の5万7000件以上の症例を調査した結果、半分を優に超える数がアルコール関連、またはアルコール乱用の診断が追加されたものであることが判明した。

全体として、アルコール摂取障害は、あらゆる種類の認知症でリスクが3倍高くなることに関連づけられた。

従来の研究では、認知機能に対するアルコールの影響については結論が出ていなかった。

一部の研究では、少量から中量の飲酒には利点がある可能性を示しているが、他の研究では、大量飲酒は認知症のリスクを上昇させると結論づけている。

世界保健機関(WHO)は「慢性過剰飲酒」の定義として、男性で基準量の6杯かそれ以上である1日当たり純アルコール60グラム以上(アルコールドリンク約6杯以上に相当)、女性で40グラム以上としている。

今回の調査では、研究者らは2008年から2013年に認知症と診断されたフランスの成人100万人以上の医療記録を精査した。

結果、アルコールとの関連が統計学的に明白であることが示されたため、論文著者は検査の実施や大量飲酒への介入、アルコール依存症治療などを提案している。

これまでの研究でも、大量飲酒や喫煙と、うつ病、学歴の低さは、認知症の危険因子としての関連性が確立されている。

今回の研究は、フランス全土の病院の6年間にわたる患者の退院記録に基づいたもので、稀な認知症と関連する疾病の患者や若年の精神障害の人々は対象者から除外されている。
 
研究論文の主著者Michael Schwarzinger氏は、

「認知症の原因としてのアルコール摂取障害が負う割合は、これまで考えられていたよりずっと大きい。

認知症とアルコール使用障害との関連については引き続き検証する必要があるが、アルコールが脳の構造や機能に永続的なダメージを与えた結果ではないか」と考察。

さらに、アルコール使用障害によってリスクが高まるとされている高血圧や糖尿病、脳卒中、心房細動、心不全は血管性認知症のリスクを上昇させる可能性もあること、多量飲酒者に多くみられる喫煙や抑うつ、低学歴も認知症のリスク因子であることを指摘している。

その上で、「アルコール使用障害に起因した認知症は予想以上に多い。

したがって、多量飲酒が全ての型の認知症の主要なリスク因子であることを認識しておく必要がある」と強調。

アルコール飲料を入手しにくくするほか、増税や広告および販売への規制といった対策を講じるとともに、アルコール使用障害の早期発見と早期治療を推し進める必要性を訴えている。

英エクセター大学医学部Clive Balland教授は、

「極めて重要な研究結果」と高く評価。

「今回の研究では、アルコール使用障害、そしておそらくは飲酒が認知症を予防する上で修正可能なリスク因子であることが示された。

このエビデンスは極めて強固なものだ。われわれは、アルコール使用障害や飲酒は認知症に関連するという明確なメッセージを人々に伝え、対策を進める必要がある」と訴えている

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