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車の両輪 [医学・医療・雑感小文]

運動不足が夜型生活の原因

 子ども肥満、やせについては、食事が問題にされることが多いが、運動を軽視してはいけない。

食事と運動は車の両輪のようなもので、必ず並行して行われなければいけない。

東京都教育庁の調査では、学校以外で運動やスポーツを「毎日している」と「している日が多い」を合わせると、小学生では約60%だが、中学生では約50%だ。運動をしていない子は、なにをしているのか。

 日本学校保健会の児童生徒の健康状態サーベイランス報告書によると、調査前日に学校から帰宅後、テレビビデオパソコン、テレビゲームなど室内娯楽で過ごした時間数は、小学生では3時間、中学生では4時間から4時間半だ。

これがいわば常態だから、運動不足と同時に睡眠時間も短くなり、夜型生活の原因になっている。

 結果、今の子どもは、昔の子どもに比べて、体格はずっとよくなったが、体力や運動能力はぐんと低下、親の世代と子ども世代の体力格差が生じている。

文部科学省の体力・運動能力調査でハッキリ証明されている。

   

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ヨクタベヨ [医学・医療・雑感小文]

朝食抜き、学習能力低下

朝食を食べないと、脳のただ一つのエネルギー源、ブドウ糖が不足する。

すると、脳の摂食中枢が刺激され、落ち着きがなくなり、イライラし、キレやすくなる。

学習能力が低下する。

アメリカや中南米諸国でも、家庭の崩壊とか経済的余裕がないため、朝ごはんを食べない子がたくさんいる。

そういう子どもに朝食の給食を行うようにしたら、アカデミック・パフォーマンス(学習能力)が非常に上がったという報告が数多くある。

これを裏返すと、朝食抜きだと学習能力が下がるということになる。

頭だけでなく、影響は体にも及び、運動能力も低下する。

朝ごはんをいつも食べている子と、常習的に食べない子に五○㍍走をさせると、たとえタイムは同じでも、食べない子のほうが脈拍数が多く(心臓がドキドキし)、運動能力が落ちるという報告がある。

朝食は体のリズムを整え、一日の学習を始めるための絶対条件だ。

「ヨクマナベ ヨクアソベ」。

昔、小学校一年生の教室には、こんな標語の額が掲げられていた。

今はそれに「ヨクタベヨ」を加えねばならない。
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1日3食の理由 [医学・医療・雑感小文]

 朝食が1日の生活リズムをつくる

いま、子ども食生活で真っ先に指摘されるのは、朝食の問題。

文部科学省の調査では、朝食を「食べないほうが多い」と「ほとんど食べない」を合わせると、小学生は15%、中学生は22%だ。大変な数だ。

朝食による栄養補給は1日の生活リズムをつくる。

朝、昼、夜と1日3回食べるのは、どこの国、どの種族でもほぼ決まった食習慣だ。

なぜか? 

食事でとるのは、糖質、たんぱく質、脂質、ミネラルビタミン、水などだが、なかで最も多い糖質は、グリコーゲンとして主に肝臓筋肉に貯蔵される。

筋肉のグリコーゲンは、筋肉を動かすために使われて血中には出ない。

一方、肝臓に蓄えられたグリコーゲンは、ブドウ糖になって、脳などの神経系や赤血球のエネルギー源になる。

1回の食事で肝臓に蓄えられるグリコーゲンはおよそ50㌘、エネルギー源として必要なブドウ糖は1日140~150㌘。

50㌘では6~8時間しかもたない。

140~150㌘を50㌘で割ると3になる。これが1日3回の食事が必要な大きな理由だ。
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森林セラピー [医学・医療・雑感小文]

NK細胞の活性が高まり、 免疫能が上がった

森林浴には生理的、心理的効果があるといわれながら、そのことを科学的に証明した研究はほとんどなかった。

そこで2004年、林野庁は厚生労働省の協力も得て、「森林セラピー研究会」を立ち上げ、森林の癒しの効果について、本格的な解明を始めた。

日本医大公衆衛生学教室のチームに委託した研究では、大手企業の男性社員12人(35~56歳)が、長野県飯山市内の森林に3日間滞在した。

結果。

1 ナチュラル・キラー(NK)細胞内の抗がんタンパク質が増加し、NK細胞の活性が高まった。

2 ストレスホルモン(コルチゾール)が減少し、免疫能が上がった。

しかもそのNK細胞の活性は1週間後も45%、1カ月後も23%高く、森林浴の免疫能を高める効果には持続性があることがわかった。

20代の男女20人が、岐阜県下呂市の森林を2・1㌔歩いた実験では、NK細胞の活性が37~44%上がり、コルチゾールの量が17%減った。

森の中を2時間歩いたら血圧が下がったという報告もある。

森へ行こう!
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フィトンチッド [医学・医療・雑感小文]

人間の活動を活発にする

森林浴のキーワード「フィトンチッド」は、樹木や草花などが、大気中や地中に出す殺菌・殺虫効果のある化学物質の総称。

旧ソ連の発生学者、B・P・トーキン博士が1930年ごろ作った造語。

ロシア語でフィトンは「植物が」、チッドは「殺す」という意味だそう。

80年代の初め、これを健康法に結びつけたのが、生気象学者の神山恵三・共立女子大教授(当時)。

フィトンチッドに含まれるテルペン類が、人間の活動を活発にすることを実験的に調べた。

同じころ、秋山智英・林野庁長官が、森林の中で得られる心理的・生理的鎮静作用を「健康・保養に利用しよう」と、「森林浴」という言葉を用いて提唱、森林浴ブームが起こった。

あげくのはては、森の中にハンモックをつってフィトンチッドが落ちてくるのを待っていたとか、せっかくフィトンチッドが体についたのにもったいない、と風呂に入らなかったとか、笑ってすますわけにはいかない話も頻出、誤解をただす記事を新聞で読んだことを覚えている。
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森へ行こう [医学・医療・雑感小文]

疲れを癒し、安らぎを与えてくれる

「五月の朝の新緑と薫風は私の生活を貴族にする」

とは、萩原朔太郎の詩句。(「雲雀(ひばり)料理」のエピグラフ)。

「したたる空色の窓の下で、私の愛する女と共に純銀のふぉぅくを動かしたい。…」

と続く。(詩集『月に吠(ほ)える』所収)

詩人のイマジネーションと、わが現実生活との隔たりはあまりにも大きいが、せめては古いブルゾンを着て気ままなる旅─ではなく森林浴と参るとしよう。

森の中に満ちる緑と樹木の香りは、疲れを癒し、安らぎを与えてくれるだろう。

森林浴の健康効果の主要な因子は、樹木の葉や幹から発散される芳香性物質フィトンチッドで、その主な成分はテルペンと総称される化学物質と考えられている。

森林に入ると漂ってくるテルペン系の樹木の香りには、副交感神経を刺激して、リラックスさせる作用がある。

血圧が下がる、免疫機能が高まる、抗がん能力が上がる、といわれる。

森林内の空気に含まれるテルペン類を測定した研究によると、その濃度は、季節的には6月、1日のうちでは昼過ぎに最高値に達するという。
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疲労感は黄信号 [医学・医療・雑感小文]

1日の疲労は1夜の睡眠で解消 

過重な労働や不眠が続くと、だんだん疲労がたまってきて、しまいには倒れてしまう。

これを避けるには一にも二にも休養をとることだ。

健康な体の持ち主であれば、1日の疲労は1夜の睡眠で解消し、数日分の疲労の蓄積は1日の休養で解消できるのが普通だ。

疲労がたまると、生体の免疫力が低下し、感染症に対する抵抗力も弱くなる。

疲れると風邪をひきやすくなったりするのは、そのためだ。

疲労感というのは、体が発する注意信号なのだから、疲れているなと感じたら、なるべく早く帰宅してぐっすり眠ることだ。

また、疲れて作業効率が落ちてきたようなときは、無理して続行せず、10分ぐらい休憩してお茶でも飲むのがいい。

居眠り上手だったら居眠りすればスッと疲れがとれる。

熱中的に仕事をしているときでも、およそ2時間おきにふっと集中力がゆるむものだが、あれは夜の睡眠リズム(脳の眠りと体の眠りの繰り返し)が、昼間も潜在的に続いているためだ。

そのリズムを仕事の流れに取り入れるのも疲労を少なくする方法だ。
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易疲労性 [医学・医療・雑感小文]

仕事とは無関係に疲れやすい、なぜ?

疲労には、作業に対する不快感による精神的疲労もある。

この場合は、なんにも仕事をしないうちにガックリ疲れてしまう。

疲労が、医学的に問題になるのは、

①仕事とは無関係に疲れやすい。

②疲労の蓄積によっていろいろな病気を誘発したり、あるいは病気を悪化させたりする。

③疲労による作業能率の低下─の三つだ。

①のケースを易疲労性といい、二つの原因がある。

一つは、疲労の原因となる病気がある場合。

大した仕事もしないのに疲れやすいと訴える人を調べた報告では、腎臓肝臓の病気、貧血が最も多く、半数の患者では血液中のビタミンB1が減っていた。

一方、疲れやすさを訴えても、基礎的な病気がない場合も多く、これには心因によるものと、体質によるもの、その両方の複合型がある。

自分に向かない仕事をイヤイヤやっている人とか、家庭内に事情のある人にままみられるし、また、いわゆる腺病質の人が、自分の体質を意識しすぎる心因によって、疲労を深くしてしまうケースもあるという。
タグ:易疲労性
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疲労の原因 [医学・医療・雑感小文]

 
「四月中の十日に心なしに雇われるな」ということわざがある。

4月半ばのころは好天続きで日が長い。

そんな時分に思いやりのない人に雇われると、日のあるうちは目いっぱい働かされてしまう。

やめたほうがいいという意味だろう。

当節は名ばかり管理職とかで年中タダ働きさせられる事例も多いようだが。

ともあれ、働き過ぎるとくたびれる。

労働には「疲労」がつきものだ。

「疲労=肉体的または精神的作業の結果として、作業効率が低下する現象」とは、産業医学者の定義だ。

このとき、体の特に筋肉の中に乳酸とかクレアチンといった物質がたまるのが、疲労の原因とかつてはいわれたが、そうではなく、もっと複合的な要素で起こることが、いまではわかっている。興味のある方は、それ、ウソです[no.95]の 「乳酸=疲労物質はウソ」をー 。

ともあれ、疲労は単に身体的に現れるだけでなく、作業に対する不快感による精神的疲労もある。

人間関係のよい楽しい職場で働きたいよね。


タグ:疲労
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モネの白内障 [医学・医療・雑感小文]

老眼が軽くなった、それ、白内障かもー

新聞を読む時、背筋をピンと立て、新聞を持つ手が自然と前方へ伸びる。

お父さん、このごろ姿勢がよくなったわね」と妻や子に冷やかされるようになったら、まず老眼の始まりだ。

この年代の視力の衰えを、〝四十暗がり〟というが、ある種の白内障でもやはり視野がぼやけてくる。

よく例に引かれるのが、印象派の画家、モネだ。

有名なスイレンの絵の色合いが、70歳前後から変わって赤などの原色が強くなる。

白内障のために目に黄色いフィルターがかかったようになり、同じスイレンを見ても、選ぶ色が変わったのだろうといわれている。

老眼は単に近くにピントが合わないだけで、遠くはよく見える。

白内障は遠くも近くもぼやけて見える。

老眼の目に白内障が起こってくると、老眼の度が軽くなったように感じることがある。

水晶体が少しふくらみ、ピントが近づくためだ。

度の軽い古い老眼鏡がまた合うようになったら、白内障の始まりかもしれない。

目を片方ずつふさいで遠くと近くを見てみよう。

遠近いずれもぼやけて見えたらすぐ眼科へ─。
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