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MSGの変転 [それ、ウソです]

 それ、ウソです(60)   

 MSGの変転

 男女ともに高齢者は、ショ糖(甘み)、塩化ナトリウム(塩味)、酒石酸(酸味)、塩酸キニーネ(苦み)、MGS(うまみ)に対する閾値(いきち)が若者に比べて上昇、つまり味覚が鈍化していることが分かった。(「Dr.白澤 100歳への道」=毎日新聞2012年7月19日夕刊)

 白状します。今回の「ウソ」は自分で見つけたものではない。

 上掲の引用部分をふくむ連載コラムが新聞に載った1週間後の同じコラムの欄外の、

『訂正 19日の「100歳への道」の記事中、「MGS(うまみ)」とあるのは「MSG(うまみ)」の誤りでした』が目に止まり、1週間前の新聞を捜し出して、このように拙稿のネタにいただいたしだい。

 MSGとは、MonoSodium Glutamate(モノソディアム グルタミネート)の略語で、グルタミン酸ナトリウム(グルタミン酸ソーダ)のことだ。

「おいしく食べること 亜鉛の機能がポイント」という見出しのついたこのコラムで、Dr白澤こと白澤卓二・順天堂大教授は、

「高齢者と若者の味覚閾値(その味を感じる最低量)」を調べた、関西国際大大学院の堀尾強教授(人間行動学)の研究を引用し、味覚は加齢に伴って変化する(鈍くなる)。おいしく食べるには、味覚の老化を予防することが重要だと述べている。

 味覚が異常に変化した病気が、味覚障害だ。その原因はいろいろあるが、日本大医学部耳鼻咽喉科の池田稔医師の研究によると、最も多くみられるのは亜鉛の欠乏で、亜鉛を投与したら全体の70%、高齢者の74%で味覚障害が治った。

「亜鉛は味蕾(みらい)細胞が正常に味のシグナルを脳に伝達するのに必須のミネラル成分で、海のカキや牛肉に多く含まれる」というDr白澤の解説に、もう一言つけ加えると、亜鉛は男の性的能力とも密接にかかわる「セックスミネラル」でもある。

 亜鉛を含む食品は魚介類、肉類、牛乳、玄米、ぬか、豆など。

 日本人が日常の食品から取っている亜鉛は1日約10㍉㌘だが、必要量は15㍉㌘。

 計算上は毎日1個、カキを食べるとよいことになるようだ。

 話をMSG(グルタミン酸ナトリウム)に戻そう。

 コンブのうまみの主成分が、アミノ酸の一つであるグルタミン酸だ。1908年、池田菊苗博士が発見した。

 そして、グルタミン酸を多く含む小麦たんぱくを原料として、MSGが製品化された。いわゆる「化学調味料」である。

 その後、カツオ節からイノシン酸が、シイタケからグアニル酸が、それぞれのうまみ成分として発見され、MSGにこれらを加えた「複合化学調味料」がつくられた。いまは「うま味調味料」と呼ばれている。

 化学調味料には毀誉褒貶(きよほうへん)の経緯がある。

 1950年代には「頭がよくなる」といわれてブームが起こった。

 グルタミン酸は脳の神経伝達物質の一つ。だから、食べてふやせばよいというウソだった。

 一転して1960年代末ごろからは「よくない」といわれ始めた。

「乳幼児の脳に悪影響する」「多量摂取によるしびれや頭痛(中華料理店症候群)」「ナトリウムの摂り過ぎになる」などである。

 それらについての検証を一々紹介するスペースはないが、結論をいえば普通に用いるぶんにはなんら問題はない。

「誉・褒」「毀・貶」、いずれもフードファディズム(食べ物や栄養が健康や病気に与える影響を誇大に信奉すること)に過ぎない。
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