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漢方の風邪薬 [それ、ウソです]

 それ、ウソです(92)    

 漢方の風邪薬

 葛根湯(かっこんとう)。漢方の煎じ薬の一つ。葛根は葛(くず)の根で、それを中心に7種の生薬を調合した。悪寒や肩こりなどに用いる。(「週刊漢字の答え」=毎日新聞2014年12月8日)

 小さいコラムの文章だから説明不足になるのはやむをえない。

 だが、それなら「悪寒や肩こり」ではなく、「風邪や首すじのこりに用いる」としてほしかった。

「悪寒や肩こり」もけっしてウソではないのだが。

漢方の風邪薬といえば、葛根湯。

昔からこれほどよく知られた薬はほかにはない。

しかし、漢方の専門医の処方はそんな単純なものではない。

人それぞれの症状に応じて使い分ける。

葛根湯は、ひき初めの風邪の次のような体質・症状の人に処方される。

① 中等度以上の体力のある人(漢方では「実証」という)。

② 頭痛、悪寒、発熱はあるが、

③ 汗の出る感じはなく、

④ 首の後ろがこっている。

この四つの条件がそろっているときに用いると、ドンピシャリ! 葛根湯のすごさが実感できるはずだ。

その薬効のメカニズムも解明されていて、葛根湯の成分の一つ、麻黄が、風邪のウイルスを食べる細胞「マクロファージ」の働きを活性化するのだという。

では、やや進んだ風邪、汗が出る風邪、たんが出る風邪、のどが痛い風邪、体力が低下した人(「虚証」)の風邪などには、どんな薬が処方されるか? いくつか挙げてみよう。

麻黄湯(まおうとう)

① 比較的ガッチリした体力のある人。

② 頭痛、悪寒、発熱はあるが、

③ 汗は出てなく、

④ 腰や膝などあちこちの関節が痛み、

⑤ ときにはセキが出たり、多少、息苦しかったりする。

葛根湯の症状と似ているが、風邪のためにあちこちの関節が痛むというのが、麻黄湯を用いるポイントだ。

小青竜湯(しょうせいりゅうとう)。

① 体力はありすぎもせず、低下してもいない(「虚実間証」)の人。

② 頭痛、悪寒、発熱があり、

③ 薄いたんが多量に出たり、せき込んだりする。

以上の3処方は、体力が中等度以上ある人にしか使えない。

体力の低下している「虚証」の人の風邪には、桂枝湯(けいしとう)を用いる。

① 頭痛、悪寒、発熱があり、

② じわじわと汗ばみ、

③ 鼻がぐずつき、ときには軽い吐きけがある。

④ 皮膚がヒリヒリする感じ。

とくに「汗ばむ」という症状は、葛根湯や麻黄湯とはハッキリ異なる。

以上は、いわば「ふつうの風邪」だが、ひき初めから「のどがヒリヒリ痛む」「のどがチクチクいたむ」といった咽頭痛がある風邪には、麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)、麻黄附子甘草湯(まおうぶしかんぞうとう)、桂枝麻黄各半湯(けいしまおうかくはんとう)などを用いる。

さらにこじれた風邪には、この3種の薬のほか桂枝二麻黄一湯(けいしにまおういっとう)、桂枝二越婢一湯(けいしにえっぴいっとう)といった処方が用いられる。

もっとも、そうした風邪はもはや素人の手には負えない。風邪の自己治療は2日まで。

一夜明けても治る気配がなかったり、いきなり発熱、頭痛、腰痛、筋肉・関節痛、倦怠感、鼻水、咽頭痛、咳などが出揃ったら、それは、風邪ではない。インフルエンザだ。即、病院へ!

(株)ORTICのHp「それ、ウソです」を再録。
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