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真味只是淡 豆腐をどうぞ [健康短信]

 昔、ちょっと読みかじった『菜根譚』のなかにこんな言葉があった。

 醲肥辛甘非真味 真味只是淡(のうひしんかんはしんみにあらず しんみはただこれたん)

 神奇卓異非至人 至人只是常(しんきたくいはしじんにあらず しじんはただこれじょう)

 しつこい料理はほんとうの味ではない。真味はあっさりしている。

 奇抜な人間にはニセモノが多い。至人はごく平凡である。――というような意味だろう。

『広辞苑』には、

 真味=まことの味わい。

 至人=道を修めてその極致に達した人。――とある。

『菜根譚』の著者、洪自誠が、「只是淡」なるものとして思い浮かべた「真味」はなんだったか。

 それは知る由もないが、食味のあっさりした食品として一番に指を折るべきものは、豆腐だろう。

 豆腐は古代中国の発明。

 明時代の儒者、洪自誠も当然、よく食べたはずだ。

「豆腐は、本来清淡簡素を主とした製品だから、調理もまた単純な湯豆腐か汁の実、そのほかなべ料理のあしらいにした程度が食味家に喜ばれる」

 往年、高名な料理研究家だった本山荻舟氏は、そう述べている。

 豆腐の腐の字には、「あつめる」という意味もあるそうだが、生のままでは繊維質が硬すぎて消化吸収されにくいダイズを加熱処理して、このように食べやすくて、栄養価の高い食品につくり変えた(つまり豆の本体をあつめた)知恵のある先人は、伝説では約2000年前の漢の淮南王(わいなんおう)で、日本にはそれから800年後の奈良時代に渡来している。

 先年、日本の伝統食を考える会が、「あなたのおふくろの味は?」と、おもに京阪神に住む男性500人にアンケートしたところ、1位はみそ汁、2位が冷ややっこ、湯豆腐など豆腐のおかず、3位がうどん、そばなどのめん類だった。

 豆腐はみそ汁の実にもよく使われる食材の一つだ。

 1位がらみの2位といえる。

 淡泊な味の中にさまざまにすぐれた栄養を含み、冷たくても温かくても、うまくて、あきない。

 豆腐の味は、おふくろそのものだ。

「浮世渡らば、豆腐で暮らせ。マメで、シカクで、ヤワラカで」

 豆腐は人生訓も教えてくれる。

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