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心がつくる病気 [健康短信]

 心がつくる病気

 人間がストレスに対応しきれなくなると、心や体、行動などに異常が起きる。

 このことが最初にわかったのは、アメリカの南北戦争の時だったといわれる。

 兵士たちに原因不明の心臓の症状や下痢がみられた。

 今でいう心臓神経症と過敏性腸症候群だったようだ。

 心臓神経症は、心臓にはなにも病気はない人が、動悸、胸痛、呼吸困難など心臓に関連したいろいろな症状を起こす病気。

 動悸や心臓部の痛みを訴えても、不整脈はなく、脈はほとんど正常(1分間70前後)なのに、本人は200もあるように感じる。

 胸痛は、胸のある部位の割合はっきりした痛みだが、狭心症のような心臓の病気と違うのは、押すと痛んだりさすると痛みがおさまったりするところだ。

 この病気は、体質や遺伝からくる要素のうえに、心配ごととか過労などが加わって起こることが多く、たばこやコーヒーの飲み過ぎのこともあるようだ。

 友人の作家は、ある文学賞を受賞した40代の数年間、この病気に悩まされたが、今はもうなんともないそうだ。

 だから、必ず治る病気だ。

 ある女性編集者(48歳)は、夜、寝床に入るころ、腹痛が起こり2度、3度、下痢をするが、翌朝はなんともない。

 この春先から月に数回、そんなことが起こった。

 消化器内科で胃や大腸の内視鏡検査などを受けたが、異常はなく、「過敏性腸症候群」と診断された。原因は〃ストレス〃といわれた。

「大腸は心の鏡」といわれる。

 不安、緊張、悲しみ、怒り、悩みなどがあるとその心因に大腸が過敏に反応し、腸のぜん動が亢進したり、けいれんしたり、腸液の分泌が増えたりする。

 そのため腹痛、下痢、便秘などが起きる。

 下痢と便秘では逆の症状だが、大腸には2種類の筋肉があり、便の通過を促進する働きと抑制する働きをしている。このバランスが崩れるために下痢や便秘が起きるのだ。

 しかし、実際に腸に炎症が生じているのではなく、詳しく検査しても、大腸、小腸そのものには異常は見つからない。

 米国立保健研究所(NIH)の学術用語委員会は、「過敏性腸症候群は、腸管の機能的疾患で、

 ①腹痛を訴えるが、排便によって軽くなる。

 ②少なくとも年に6回以上このような腹痛が起きる。

 ③そのような腹痛が起きると少なくとも3週間以上続く。

 ④腹痛のない下痢を除く。

 ⑤腹痛のない便秘を除く、の5条件を満足するもの」と定義している。

 出勤途上で必ず駅のトイレに駆け込む会社員、登校時間になると「おなかが痛い」と訴える小学生、週1回の講義の前にはきまって下痢をする大学講師など、同種の症状に悩まされている例は、とても多いようだ。

 過敏性腸症候群の症状を訴える人の診察は、まずほかの病気がないことを確かめたうえで、原因を探すことになる。

 更年期の女性の場合、更年期障害がそうした症状を引き起こす可能性もあるようだ。

 食物アレルギーによる下痢もあるので、香辛料など特定の食品が関係していないか調べる。

 しかし、なんといっても多いのは心理的な問題が原因になっているケースだ。

 心理的な影響を受けやすい腸の動きを調整するのは難しいことなので、気にしたり、緊張したりすれば、症状はいっそうひどくなる。

 大切なことは、その症状を自分の〃体のクセ〃のようなものだと受け入れて、うまく付き合いながら生活していくことだろうと、ある専門医は助言している。

 漢方薬が効く例も多い。便秘と下痢が交互に起こる型には桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)、慢性下痢型には人参湯(にんじんとう)が用いられる。

 下痢を恐れて自分だけの判断で食事を制限したりしなければ、栄養面での心配はない。

 もともと胃腸自体は悪くないので消化・吸収の働きは障害されないからだ。

 家族内の問題、経済問題などの家庭的トラブル、仕事や職場の対人関係などの社会的トラブルなど、さまざまな精神的負担が発病に関係するといわれている。

 腸の動きを抑える整腸剤や精神安定剤などの薬のほか、精神をリラックスさせる自律訓練法が効果的な場合もあるようだ。

 大切なことは、自分の症状を受け入れ、「自分は腸の調子がおかしい」という点を認めて、家族なり親友にも打ち明けて、症状の苦しさなどを共有してもらうこと、と専門医はアドバイスしている。
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