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卵論争 [健康短信]

迷走するコレステロール・卵論争
 観察研究から食事を考えることの限界

 2015年の米国の食事摂取基準においては、食事中のコレステロール量や卵の摂取量は血中脂質プロファイルや心血管疾患発症リスクとは関連しないため気にする必要はないとされている(JAMA 2015;313: 2421-2422)。

 また、「日本人の食事摂取基準2015」においても、コレステロール摂取量の上限量(目標量)を設定するに十分な根拠がないとされている(食事摂取基準 2015, p125~126)。

 一方、その後に発表された日本動脈硬化学会の『動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017』(CQ9)、あるいは『脂質異常症診療ガイド2018』(p51)においては、コレステロール摂取量を200mg/日未満にすることによってLDL-C低下効果を期待でき、心血管疾患を予防できる可能性がある(推奨レベルA)とされている。

 非専門家としてはこれらの勧告の乖離をどのようにとらえればよいのか迷うところである。

 そんな中、米国医師会誌に、食事中のコレステロール量や卵の摂取量が心血管疾患や全死亡の発生率と相関するという論文が掲載された(JAMA 2019;321:1081-1095)。

 ことによると米国の食事摂取基準に影響を与える可能性もある。

 研究のポイント1:米国の6つのコホート研究を統合した大規模データ

 本研究は20もの米国のコホート研究を合算して、米国人共通のデータを導き出そうという、Lifetime Risk Pooling Project(Int J Epidemiol 2015;44:1557-1564)の一環として行われたものである。

 ベースラインでの食事記録が取られ、重要な変数のデータが記録されていた以下の6つのコホート研究が集積された。

① ARIC(Atherosclerosis Risk in Communities)Study; Am J Epidemiol 1989;129:687-702
② CARDIA (Coronary Artery Risk Development in Young Adults) Study; J Clin Epidemiol 1988;41:1105-1116
③ FHS (Framingham Heart Study); Glob Heart 2013;8:3-9
④ FOS (Framingham Offspring Study); Prev Med 1975;4:518-525
⑤ JHS (Jackson Heart Study); Ethn Dis 2005;15 (suppl 6):4-17
⑥ MESA (Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis); Am J Epidemiol 2002;156:871-881

 ベースラインでの食事記録が極端に少なかったり(500kcal/日未満)、極端に多かったり(6,000kcal/日以上)した者は除外された。

 また、重要な変数の記録が欠如している者も除外された。

 主要アウトカムは心血管疾患発症率と全死亡率とされ、心血管疾患については、致死性・非致死性を問わない冠動脈疾患、脳卒中、心不全、それら以外での心血管死の複合エンドポイントとして評価が行われた。

 データの採取においては、年齢、性、人種、教育レベル、生活習慣(喫煙・アルコール摂取、身体活動量)、BMI、血圧、脂質プロファイル、投薬状況、医学的状況の情報も収集された。

 一番古いベースラインデータは1985年3月25日のもので、2016年8月31日までの状況で解析がなされた。

 解析においてはコホート層別原因特異的ハザードモデルが用いられ、以下の複数のモデルでの解析がなされたが、モデル3では因果の逆転の余地があるため、モデル2を主要モデルとした。

モデル1:年齢・性・人種・教育レベル

モデル2:モデル1+総エネルギー摂取・喫煙・アルコール摂取・身体活動

モデル3:モデル2+BMI・糖尿病の有無・収縮期血圧・降圧薬服用の有無・HDL-C・non HDL-C・抗高脂血症薬服用の有無


 研究のポイント2:コレステロール、卵摂取量とも心血管疾患や全死亡と相関

 解析の対象は2万9,615人、フォローアップ期間の中央値は17.5年(結果として52万4,376人・年のフォローアップ)、ベースライン時の平均年齢51.6±13.5歳、黒人31.1%、男性44.9%という集団となった。

 全体での平均コレステロール摂取量は285±184mg/日で、中央値は241mg(25パーセンタイル164mg、75パーセンタイル350mg)/日であった。

 また、全体での平均卵摂取量は0.34±0.46個/日で、中央値は0.14個(同0.07個、0.43個)/日であった。

 全体での心血管疾患発症率は10.9/1,000人・年であり、全死亡率は11.7/1,000人・年であった。

 これをコレステロール摂取量別で示したのが図1であり、モデル2で解析すると、コレステロール摂取量が300mg/日増加するごとに、心血管疾患発症率は17%、全死亡率は18%有意に増加していた。

 卵摂取量と心血管疾患発症率や全死亡率との関係を示したのが図2であり、卵摂取が0.5個/日増えるごとに心血管疾患発症率は6%、全死亡率は8%有意に増加していた。

 こうしたコレステロール摂取量あるいは卵摂取量と心血管疾患発症率や全死亡率との関係性はモデル1、2、3のいずれでも同様であり、さまざまなサブ解析においてもほぼ一貫して見られた。

 研究者たちは、既存の17コホート研究(36万1,923人)+19介入試験のメタ解析(Am J Clin Nutr 2015; 102:276-294)において、コレステロール摂取量と心血管疾患の関係性で結論が出せなかったことや、既存の複数の試験においても必ずしも正の相関を示すものばかりでなかったことを踏まえつつも、こうした研究は交絡因子の調整がきちんとできていなかったものと指摘。

 今回の研究は交絡因子になりそうなさまざまな因子を全て包括的に評価しており、また、既存の研究よりも長期のフォローアップをしており、真の相関関係を見いだすのに強力なデザインであることを強調している。

 その上で、食事中のコレステロールの25%を卵の摂取が、42%を肉の摂取が占めていることを踏まえ、卵や肉の摂取量を最小化する必要があるかもしれず、このことを今後の食事ガイドラインは考慮すべきと結論している。

 なお研究者らは、この研究の限界として、以下の6つを挙げている。

1.食事記録が自己記録で客観的なものでなく、また1回きりの調査である

2.各コホート研究における食事評価法が異なり、データ解析において不均一性が存在する

3.交絡因子が調整しきれずに残存しうる

4.心血管疾患の細かな分類やがん死などの細かな分類の情報が得られていない

5.今回のデータが米国人のみのものであるため、食習慣の異なる米国人以外の人に当てはめる際には注意を要する

6.観察研究であり、因果関係を確立できない

 考察1:因果関係を反映していない可能性を強調すべき

 今回の研究を通じ、研究者らは既存のメタ解析で結論が出せなかったことに比較して、自身のメタ解析の結果の方が包括的かつ重要で、自身のメタ解析では相関関係を見いだしたのでコレステロールや卵の摂取を控えるべきだと結論している。

 かつては食事中のコレステロールや卵の摂取を制限するよう指導していた。

 そして、その患者に強いた努力は、1~2カ月後には血清コレステロール値の低下として現れるものの、その数カ月後には血清コレステロール値の再上昇があって報われないということを多々経験してきた。

 この個人的経験は、食事中のコレステロールの増減はコレステロール吸収と内因性コレステロール合成の調整により、7割方の人で代償されてしまうという研究結果から科学的に説明可能であることを知った(J Clin Invest 1987;79:1729-1739)。

 この論文を知って以降、7割の人でメリットが得られない努力を全ての患者に強いるのをやめ、卵をガンガンと食べていてコレステロールが明確に高値のまま保たれている人にだけ(理論的には3割存在することになるが、そもそも卵をガンガンと食べている人が少ないので、実臨床の現場ではほとんどお目にかかることはない)、後から卵の制限を求めるというスタンスでいる。

 そして、糖質制限下ではコレステロール摂取量によるLDL-Cへの影響はほとんど存在しないこともあり(J Nutr 2008;138:272-276)、どうしても卵の摂取を減らせないのであれば、卵を減らす努力をせずにスタチンを内服するという選択肢も提示することにしている。

 十把一絡げにコレステロールや卵の摂取を控えさせるべきだという研究者らの結論に、科学者としての傲慢、もしくは臨床家としての怠慢を感じざるをえない。

 十分な検証もなく、個人の生活に制限をかけようとするその態度に怒りすら感じている。

 そもそも、観察研究における相関関係は必ずしも因果関係を意味しない。

 交絡因子の影響を受けうるのである。既知の交絡因子で包括的に調整していたとしても、なお未知の交絡因子の影響を除外できないということを真剣に恐れるべきである(研究者らは自分たちで限界の三つ目に挙げたことを真剣には憂慮していない)。

 そして、個人の食生活に制限をかけるということは、人の自由を奪うことであり、基本的人権の侵害に相当しうると強く認識すべきである(研究者たちは自分たちで限界の六つ目に挙げたことを真剣には憂慮していない)。

 観察研究の結果を因果関係と誤解して、そのまま臨床勧告にまで持ち上げることは控えるべきであり、臨床勧告に持ち上げるのであれば、観察研究の限界を強く述べ、因果関係を反映していない可能性を十分に周知すべきなのである。

 すなわち、本来なら、研究者らが限界に挙げた六つ目こそを一番目に持ってくるのが筋である。

 六つ目の限界として、わずか9語で因果関係を確立できないと言い訳をしてさえおけば、あたかも明確に因果関係であるかごとく語ることが許されるわけではない。

 そもそも限界の三つ目(交絡因子を全て調整できているわけではない)と六つ目(観察研究であり、因果関係を確立できない)は極めて近しい関係にある。

 四つ目の限界として死因の細かな分類がないことを挙げたり、五つ目の限界として米国人のデータに限定されていることを間に挟んだりする辺りにも、研究者らが真剣に因果関係にアプローチしてないこと、あるいは因果関係にアプローチするセンスが皆無であることを強く感じざるをえない。

 ちなみに、コレステロール摂取や卵摂取に制限をすべきだとの勧告を出すためには、以下のランダム比較試験(RCT)が必要である。

 コレステロール摂取制限を妥当とするに必要なRCT

 Patient:高コレステロール血症(心血管疾患の既往の有無を問わない。できれば両方とも)
Intervention:コレステロール摂取および卵摂取の制限〔ただし、LDL-C高値の場合はスタチン投与(スタチン不耐例にはNPC1L1阻害薬エゼチミブ投与)を必須とする〕

Comparison:コレステロール摂取も卵摂取も無制限〔ただし、LDL-C高値の場合はスタチン投与(スタチン不耐例にはNPC1L1阻害薬エゼチミブ投与)を必須とする〕

Outcome:primary=複合心血管イベント発生率、secondary=全死亡率、がん発生率、直接的薬剤費、総医療費

 今や、スタチンなしでの高コレステロール血症管理や心血管疾患予防は考えられない時代である。

 スタチン投与が前提となっている状況においても、コレステロールや卵の摂取制限に臨床的に価値があるのか(心血管イベント発生率や全死亡率に差異がでるのか、あるいはそれらに差異が出ずとも、スタチンの使用が抑制されて医療費が抑制されるのか)、きちんと検証してから結論や勧告を出すべきである。

 考察2:なぜ既存のメタ解析と結論が異なるのか・・・

 Discussionのパートで、研究者らはコレステロール摂取量に関するコホート研究などの既存のメタ解析として、前述したBergerらの論文(Am J Clin Nutr 2015;102:276-294)を挙げている。

 Bergerらは研究では1つ1つの研究の結果が不均一で、結論を導き出すことはできないとされている。

 このBergerらの研究で取り上げられていて、かつLifetime Risk Pooling Projectに参画していながら、今回の論文に取り上げられていないコホートは3つある。

 Honolulu Heart Program(Am J Epidemiol 1984;119:667-676)、Pueruto Rico Heart Health Program(Am J Clin Nutr 1980;33:1818-1827)、

 Womens' Health Initiative(Ann Neurol 2012;72:704-715)である。また、Bergerらの研究で取り上げられていて、Lifetime Risk Pooling Projectに参画していない米国のコホートとして、Nurses' Health Study(Circulation 2001;103:856-863)、Health Professionals Follow-up Study(BMJ 2003;327:777-782)がある。

 これらのコホート(特にLifetime Risk Pooling Projectに参加している3つのコホート)をなぜ今回の論文では除外しているのかが不明である。

 そして、それが不明である限り、既存のメタ解析よりも自分たちのメタ解析の方が包括的で長期であって、よい研究であるなどという考えには賛同できない。

 同じく、卵摂取量に関するコホート研究のメタ解析として、例えば、Rongらの論文(BMJ 2013;346:e8539)がある。

 Rongらも卵摂取量と心血管疾患の増加に相関はないとしている(糖尿病患者では冠動脈疾患の増加と相関しているものの、出血性脳卒中の減少とも相関しているとする)。

 このRongらの研究で取り上げられていて、かつLifetime Risk Pooling Projectに参画していながら、今回の論文に取り上げられていないコホートは2つある。

 NHANES I(Med Sci Monit 2007;13:CR1-8)とNHANES Ⅲ(Public Health Nutr 2011;14:261-270)である。

 また、Rongらの研究でもNurses' Health StudyとHealth Professionals Follow-up Study(JAMA 1999;281:1387-1394)は取り上げられている。

 正の相関関係が出るようにするために、取り上げるコホートを研究者らが恣意的に絞った可能性を否定できないのではないかと疑ってしまう。

 また、イランにおけるGolestan Cohort Studyでは卵摂取の多さは全死亡率の低下と相関していた(Am J Prev Med 2017, 52, 237-248)。卵摂取と全死亡率について因果関係を語るのであれば、研究者らは米国人のデータでなくても、このGolestan Cohort Studyのデータに対する解釈をDiscussionの中で陳述せねばなるまい。

 その意味では、本研究が真に包括的と言えるのか、そして、包括的であるなしにかかわらず、どうして既存の研究と結論が異なるのか、誰しもが納得できる解説をすべきである。

-考察3:今後の食事ガイドラインに不安

「日本人の食事摂取基準2015」では、日本人のコホート研究として、NIPPON DATA80(Am J Clin Nutr 2004;80:58-63)、JPHC(Br J Nutr 2006;96:921-928)が引用され、いずれも卵摂取量と虚血性心疾患や脳卒中による死亡率、あるいは冠動脈疾患罹患との関連を認めていないとされている。

 そして、その上で、前述のように十分な科学的根拠が得られなかったため、目標量の算定は控えたとされてはいる。

 しかし、コレステロールの摂取量は低めに抑えることが好ましいものと考えられるとの文言も記載されている。

 現在、「日本人の食事摂取基準2020」の作成が佳境に入っていると考えられ、既に閲覧可能な「日本人の食事摂取基準」策定検討会報告書(案)においても、「循環器疾患予防(発症予防)の観点からは目標量(上限)を設けることは難しいと考え、設定しないこととした」とされている。

 しかし、やはり「許容されるコレステロール摂取量に上限が存在しないことを保証するものではない」としている。

 そして、エビデンスレベルの扱いとして、介入研究とコホート研究とを同格のエビデンスレベルとしてしまっている(エビデンスレベルというものへの理解が危ういと感じる)。

 今回のLifetime Risk Pooling Projectのデータを、今後わが国においてどのように扱うのかは不明であるが、これが介入研究と同格として扱われてしまっては、将来の(早ければ2025年の)食事摂取基準においては、コレステロール摂取量や卵摂取量に上限を設定されかねない。

 人の食生活に制限をかけることに真摯に憂いを覚える善良な臨床家の視点と、コホート研究のデータから因果関係を読み込むことに、真摯に恐れを抱く善良な疫学者の視点でもって、今後の食事摂取基準が作成されつづけることを願わずにいられない。

 山田 悟 北里研究所病院 糖尿病センター長
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危ない食習慣 [健康短信]

 死を招く食習慣の組み合わせ=二つの不健康な食習慣

 二つの不健康な食習慣が組み合わさると、死を招くリスクがあることが明らかになった。

ブラジル・Universidade Estadual Paulista、Botucatu Medical SchoolのMarcos Ferreira Minicucci氏らがEur J Prev Cardiol(2019年4月17日オンライン版)に報告した。

 PCI施行のSTEMI患者113人を退院後30日間追跡

 食生活と心疾患との関連についてはさまざまなエビデンスが蓄積されているが、朝食抜きかつ遅い夕食という2つの不健康な食習慣が心疾患の発症リスクと関連するか否かについては明確なエビデンスはなかった。

 そこでMinicucci氏らは、ST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者を対象に前向き観察研究を行った。

 対象は、2017年8月〜18年8月にSTEMIと診断され、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受けた18歳以上の入院患者113例。

 精神状態の変化が認められたり、人工呼吸器を要したりする患者は除外した。

 朝食抜きは起床から昼食までに飲料を含め何も摂取していないこと、遅い夕食は就寝前2時間以内の食事摂取とし、それぞれ週3回以上を食習慣の条件とした。

 主要複合エンドポイントは、退院後30日以内における死亡、心筋梗塞の再発、狭心症の発症とした。

「朝食抜き+遅い夕食」で死亡、心筋梗塞再発、狭心症が4〜5倍に

 113例の年齢は59.9歳(中央値)、男性73例。主要複合エンドポイントの発生は26例(23.0%)で、発生率は死亡が5.3%、心筋梗塞の再発または狭心症の発症が17.7%であった。

 これらの患者では、総コレステロールおよびLDLコレステロール(LDL-C)がいずれも低値で、左室拡張終末期径(LVDd)拡大の重症度が高かった。

 一方、食習慣については、朝食抜きが57.5%、遅い夕食が51.3%、2つの食習慣がともに認められた患者は40.7%であった。

 多重ロジスティック回帰分析を用いて、年齢、性、CK-MB、左室駆出率で補正した朝食抜きと遅い夕食の2つの食習慣による複合エンドポイントのリスクを検討した。

 その結果、オッズ比(OR)は4.2(95%CI 1.6〜11.2、P=0.004)と、複合エンドポイントのリスクは有意に4倍超高かった。

 さらに喫煙、LDL-C、LVDdで補正したところ、ORは5.1(同1.7〜15.0、P=0.004)と、有意な上昇が確認された。

 Minicucci氏らは、

「朝食抜きと遅い夕食という2つの食習慣の組み合わせは、STEMIで入院してPCIを施行した患者の退院後30日以内における死亡、心筋梗塞の再発、狭心症の発症リスクを4〜5倍上昇させることと関連していた」と結論した。

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身長と脳卒中 [医療小文]

小児期に身長が低かった人は、成人してから脳脳卒中を発症するリスクが高い可能性がある、

とデンマークの研究チームが報告しました。

男女いずれも7歳時の身長が高いほど脳梗塞のリスクの低下が認められたということです。

脳出血については男性のみに同様の関連が認められ、7歳時の身長が平均レベルだった人と比べ、平均よりも約5cm高かった人で脳出血リスクが約11%低いことがわかりました。

「小児期に身長が低いことは脳卒中リスクの高さを示すシグナルと考えられる。

この研究結果を知ることで、身長以外の修正可能な脳卒中のリスク因子に対する取り組みの強化につなげてほしい」

と研究リーダーは話しています。

タグ:身長 脳卒中
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全粒穀物! [健康短信]

糠となる果皮、種皮、胚、胚乳を除去してない未精製の「全粒穀物」を食べると、糖尿病リスクを低下できることが、大規模な調査で明らかになりました。

精白の過程で失われる部分にはミネラル、ビタミンB群、マグネシウム、鉄分などが豊富に含まれています。

食品ごとの血糖上昇率を「グリセミック指数=GI」といいますが、全粒穀物はGI値が低く、インスリンの過剰分泌を抑え、血管にダメージを与えにくいのです。


全粒穀物は抗酸化作用があり、細胞の老化を防いだり、血管の若さを保ち、動脈硬化の予防に役立ちます。

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果物の糖質 [医療小文]

果物は「いくら食べてもよいとはいえません」と、

 糖質制限食の提唱者、江部康二・高尾病院理事長が毎日新聞・医療プレミアムで述べています。

 糖尿病の人が1人前の果物を食べると、食後高血糖が生じ、合併症のリスクになります。

 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版は、「動脈硬化性疾患予防のための生活習慣の改善」の項目で、

「糖質含有量の少ない果物を適度に摂取する」ことをすすめています。

 この考え方は「生理学的事実に基づいた糖質制限理論」と合致しています。

 果糖はブドウ糖の数十倍「終末糖化産物」を作りやすいことがわかっています。

 果物は糖質制限のさいに注意すべき食品です。

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スポーツと寿命 [健康短信]

デンマーク・フレデリックスバーグ病院の研究チームは、8500例超を25年追跡し、

「坐位中心の運動不足の人に比べて、スポーツを行っている人は平均余命が長く、特にテニスをしている人では9.7年も長かった」と発表しました。

テニスの次はバドミントン6.2年、サッカー4.7年、サイクリング3.7年、水泳3.4年、ジョギング3.2年、健康体操3.1年、スポーツジムでの運動1.5年でした。

「今回の研究から、いずれのスポーツも平均余命の著明な改善と関連していることが分かった。

個人スポーツよりソーシャルスポーツ(チームスポーツ含む)の方がより長寿と関連していた」と説明しています。

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渡さんの病気 [健康短信]

 酸素ボンベの入ったバッグを持つ俳優・渡哲也(77)さんの写真をネットで見た。

 右手で持つ紺色の中から半透明のチューブが鼻へと伸びている。

 渡さんは'91年に直腸がん、'15年に急性心筋梗塞と2度の大手術を受け、さらに肺気腫やぜんそくといった持病もあります。

 酸素ボンベのバッグはそれを補う処置です。

 いま世界中で急増しているCOPD(慢性閉塞性肺疾患)は、「肺の生活習慣病」。

 最近、COPDという言葉を、よく耳にするようになりました。

 COPDとは「慢性閉塞性肺疾患」と呼ばれる病気の総称で、慢性気管支炎、肺気腫などがこれに当たります。

 気管支や肺がダメージを受けることにより、長期間にわたり空気が通りにくくなる病気です。
肺の生活習慣病!?

 肺に慢性的な炎症が起こり、それが原因となり肺への空気の出入りに支障をきたすようになることで、息切れや呼吸困難、せきやたんなどの症状が現れる病気がCOPD(慢性閉塞性肺疾患)です。

 これまで「肺気腫」「慢性気管支炎」と呼ばれてきた病気がCOPDに含まれます。

 COPDの最大の原因がたばこであることから、別名「たばこ病」とも呼ばれ、事実、患者の90%以上が喫煙経験があります。

 肺の機能は、たとえ健康な人であっても、加齢とともに低下していきますが、たばこの煙に含まれる有害物質は、肺機能をより早く低下させてしまいます。

 ですから自身の喫煙はもとより、受動喫煙も避けるようにしたいものです。

それ以外の原因として、排気ガスなどの大気汚染物質を吸い続けた場合などがあります。

 こうした病気であるCOPDはまた、「肺の生活習慣病」ともよばれます。

 初めはせきやたん、息切れから始まります。

 いったん発症すると、治らない病気ですが、早く見つけて治療を始めると、病気の悪化を止めることができます。

 おかしいな? と感じたら、呼吸器内科で診てもらいましょう。

タグ:COPD
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オスラー名言抄 [健康短信]

 ペギー葉山(83)、(79)、日下武史(86)、豊田泰光(81)、根津甚八(69)、山城新伍(70)……。

 近年、肺炎で死去する知名人がふえている。

 いやいや近年に限らない。

 知名人だけではない。

 昔から肺炎は高齢者の専売特許だった。

 日本人の三大死因、がん、心臓病の次に多いのが、肺炎で、肺炎で亡くなる人の95%は高齢者だ。
 で、「肺炎は老人の友」といわれる。

 言った人は、近代の最も高名な内科医、ウィリアム・オスラーだ。

 彼は自著『内科学』第1版(19世紀末に刊行)に、「肺炎は老人のエネミー(敵)である」と書いたが、7年後の第2版では、「肺炎は老人に安らかな死をもたらすフレンド(友)である」と改めた。

 そしてオスカー自身、1919年の冬、肺炎で逝った。70歳だった。

 聖路加国際病院の日野原重明先生が、

「私の医師として、教師として生きる道を示してくれた、心の師」と仰ぐオスラーには、動脈硬化についての「人は血管とともに老いる」をはじめ多くの名言がある。

「たいていの人は、剣によるよりも、飲み過ぎ、食い過ぎによって殺される」

「医学は、患者と共に始まり、患者と共にあり、患者と共に終わる」

「人生は習慣である。子供が歩くのも、ピアニストの指が魔法のように動くのも、すべて練習のたまものだ。長期にわたる鍛錬の積み重ねが偉大なものを作る」

「仕事は、若者には希望を、中年には自信を、老いた者には安らぎをもたらす」

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春眠 暁を覚えず [健康短信]

 春の曙(あけぼの)、木々に雨が降っている。
 
「春眠 暁を覚えず/処処(しょしょ) 啼鳥(ていちょう)を聞く/夜来 風雨の声/花落つること 知る 多少ぞ」。孟浩然(もうこうねん)。

 目借時(めかりどき)ゆふべのままの紙とペン 井上雪(いのうえゆき)

 目借時とは春の陽気についうとうとする眠気をいう季語。

 カエルが人の目を借りにくるからだとの俗説があり、「蛙の目借時」という言葉が俳人に喜ばれた。

 目を借りるカエルについては、鎌倉時代の歌集にも「つとめすと寝もせで夜はを明かす身にめかる蛙(かわず)の心なきこそ/藤原光俊(ふじわらのみつとし)」がある。

 人とカエルとの目と眠りの貸し借りはいつごろからあったのか。

 眠りの貸借といえば「睡眠負債」という言葉が流行語になった。

 こちらは日々のわずかな睡眠不足が借金のようにたまるという話だった。

 それが脳の働きを大幅に低下させるばかりか、がんや認知症のリスクまで高めるという。

 米大学の実験によると、睡眠不足の蓄積による脳の働きの衰えはなかなか自覚しにくい。

 また休日の寝だめで一挙返済を図ると、かえって生活リズムを壊し、平日の負債増の恐れがあるという。

 新しい生活のサイクルが始まる4月、働き盛りの20~50代で睡眠時間6時間以下の方はやはり見えない借金に気をつけた方がいいようだ。

 平日の睡眠時間を少しでも増やし、眠りのリズムを整えていくチャンスにもなる新年度である。
 
「春眠暁(あかつき)を覚えず」だが、あまり寝過ごすのも問題らしい。

 専門家は真っ暗な環境で通常より2時間以上寝過ごす人は睡眠負債があると思った方がいいという。

 山に金太郎 野に金次郎 余は昼寝 三橋敏雄

 金太郎の住む足柄山 金次郎が住んだ小田原の在の近くに家があった俳人のひょうげた一句に大いに笑わせてもらった。

 世界一の富豪、アマゾンの最高経営責任者、ジェフ・ベゾス氏(保有資産=約11兆9000億円。日本の防衛予算と公共事業予算を足した額とほぼ同じ)の成功の秘訣(ひけつ)も、睡眠。

 毎日8時間、しっかり眠りエネルギーを補充。

 でないとシャープなアイデアは出てこないという。

 インターネット上でニュースやコラムを発信するアメリカのハフポスト。

 設立者のアリアナ・ハフィントンさんは、さらに踏み込む。

 睡眠革命という意味の「スリープ・レボリューション」という本まで書いている。

 社員はお昼寝タイムを、と社内に昼寝部屋も用意した。

 まずは自分が手本を示す。15~20分の職場睡眠で、仕事がはかどる。

 睡眠と労働生産性。最近よく話題になる関係だ。シンクタンクのランド研究所によると、働く人の睡眠不足がアメリカ経済に与える損失は、年間4110億ドル(約44兆円)に上る。

 国内総生産(GDP)の何と2・28%にあたる。

 日本は国民の平均睡眠時間は7時間50分と先進国中、韓国の7時間49分に次いで短い。

 ランド研究所の報告書では、睡眠不足による経済損失がGDPの2・92%(14・7兆円)とアメリカ、イギリス、ドイツ、カナダのどこより大きい。

 生産性向上は、働く人本位の経営から。

 手始めに、誰でも1日15分、遠慮なく昼寝ができる職場環境を作ってみよう。
タグ:春眠 目借時
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EPAとDHA

 青魚に豊富に含まれるオメガ3系脂肪酸が不安症状の軽減に効果的 

 アジ・イワシ・サンマ・サバなどの青魚に豊富に含まれるオメガ3系脂肪酸=EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)=が、不安症状の軽減に効果的なことが、国立がん研究センターと台湾の中國醫藥大學研究所の共同研究で明らかになりました。

 詳細は米国医師会雑誌に発表されました。

 またオメガ3系脂肪酸を少なくとも2,000mg摂取してもらった場合に抗不安効果を認めることが示されました。
 
 今後は、オメガ3系脂肪酸の摂取量を2,000mg以上に設定し、身体疾患や精神疾患等の臨床診断を抱える人を対象にした大規模な臨床試験を実施することにより、オメガ3系脂肪酸による抗不安効果の検証が期待されます。

 同時に海洋由来のエイコサペンタエン酸とドコサヘキサエン酸、そして植物由来のアルファリノレン酸のいずれが、不安軽減に最も有効であるかを検討する研究が必要です。

 がんサバイバーにおいても、がん再発不安と血中オメガ3系脂肪酸の関連を観察研究で確認することが必要です。

 二者の間に関連が認められることが分かった場合、がんサバイバーにおける最大の満たされないニーズであるがん再発不安軽減を目的にしたオメガ3系脂肪酸による臨床試験を計画し、科学的根拠に基づく機能性食品開発につながることが期待されます。

 同時にオメガ3系脂肪酸の抗不安効果を探るメカニズム研究が進むことも期待されます。

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